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Re^3:How to change number of an electron ? (in Japanease)

Posted on : January 31, 2005 (Mon) 22:12:08

by Kobayashi Kazuaki

 物質・材料研究機構の小林です。

>> この”電子の数を変更し計算”というのは、たとえば不純物の問題で、中性
>>不純物ではなく、正または負にイオン化させた不純物を扱うということでしょう
>>か?。←この時、電荷中性は、不純物イオンの反対の一様な電荷(ジェリウム)
>>で保証する。
>> 或いは、全く別の意味でしょうか?。
>>
>> もし差し障りなければ、お教え願えるとありがたいです。
>
>質問が言葉足らずで申し訳ありませんでした。
>
>どのような計算がしたいのかと申しますと、
>N個の電子からなる系より電子を一個取り出したN-1個の電子からなる系の計算
>及び、電子を一個加えたN+1個の電子からなる系の計算
>この3つの基底状態全エネルギーを用いて、
>ヤナックの定理より
>
>Eg=E(N+1)+E(N-1)-2E(N)
>
>の計算ができないかと考えております。

 これだけでは正直漠然としすぎているのですが、通常のバンド計算
の範疇で考えるなら、上記で求まるEgにはあまり意味がないのではと、
考えます。以下はあくまで周期的境界条件が課された、通常の密度汎
関数法+局所密度近似の計算での話です。E(N)を基底状態(電荷も中
性)とすると、E(N+1),E(N-1)は、電荷中性を破ってしまいます。こ
れらを計算するには、先に筆者が挙げたような手法を導入するしかな
くN+1系、N-1系は、こうなると最早E(N)でのような基底状態としての
計算ではなくなってしまうと考えます。

 ヤナックの定理ということから、上記式のNは、大変大きな数(実質
無限)を想定されているのかもしれないのですが、現実の通常のバンド
計算を使った上記の式の計算では、DFT+LDA(or GGA)で過少評価される
エネルギーギャップの値が改善されることはないだろうと考えます。

 ひょっとしたら全く違う話が想定されているのかもしれないのですが、
筆者にはそれをちょっと想像できません。的外れな話だったらご容赦下
さい。

>
>また同様に不純物を導入したときの不純物準位についても
>
>Ed=E(N+1)+E(N-1)-2E(N)
>
>をもちいて計算したいと考えており
>ます。

 正直、こちらの方は、Egの式以上に分かりません。このEdの式
が不純物準位とどう関係するのか筆者には想像できません。何か
参考、根拠となる文献等があるのでしょうか?。
 ただ、不純物の話は筆者もあまり詳しくありません、この話の
元の質問先である、Akai-KKRの赤井先生(阪大)か、不純物の話
なら、同じ阪大の吉田博先生のところなどと直接コンタクトを取って
みるのも良い手なのではと考えます。

 以上、何かの役に立てれば幸いです。

(--@--は変なメイル対策)