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Replies : 11 Last Post : April 29, 2005 (Fri) 07:56:07
152
On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 26, 2005 (Tue) 17:09:40
by Yukihiro OKuno
富士フィルム奥野です。
おせわになっております。
先日PbTiO3の計算に関して投稿したものです。
絶縁体であるものがE=0に状態密度をもってしまうこと
に関してですが、同様の計算をBaTiO3 (cubic 相)、TiC
に関して試行してみました。で、やはりTiC BaTiO3が
E=0に状態密度をもってしまいました。
結果をみると、Ti のd軌道のウェイトがやけにE=0でおおきく
なってしまっており、これが諸悪の根元かとおもっています。
計算をみていると、とくにコアとして採択している電子の数や
軌道などに問題はないようなのですが、たとえば計算結果を
得る過程などに問題があるとかいうことはないでしょうか?
私は計算過程でedelta=0.005 -> 0.003 ->0.002 などと
徐徐にちいさくして(より大きなewidthの値の収束結果を利用して)
収束させていっています。
どなたか、同様の計算などをおこなって同じ問題に遭遇されかた
などいましたら返事もらえると幸です。
以下 TiC の入力ファイル
#----------------------- input data ----------------------------#
# go/ngo/dos/dsp/spc file name
dos data/TiC
#- primitive vector --------------------------------------#
# this aux option is only effective for newest versions of AkaiKKR
aux
0.000000000000 0.500000000000 0.500000000000
0.500000000000 0.000000000000 0.500000000000
0.500000000000 0.500000000000 0.000000000000
8.160000000000
#- edelt ewidth nrl/sra mjw/vbh/vwn mag/nmag/-mag/rvrs/kick ------#
0.002 1.5000 sra vwn nmag
#- init/1st/2nd quit/update 0/1/2/../t/l/m/h/u iteration pmix -#
1st update t 100 0.01000
#- number of type -----------------------------------------------#
2
# type components rtin field l_max Z concentration----------#
C 1 0. 0.000 2 6 100.00
Ti 1 0. 0.000 2 22 100.00
# number of atoms------------------------------------------------#
2
#- position ---------------------------------------------- type -#
0.000000000000a 0.000000000000b 0.000000000000c Ti
0.500000000000a 0.500000000000b 0.500000000000c C
153
Re:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 26, 2005 (Tue) 20:18:39
by Yukihiro Okuno
奥野です。
自己レスです。
さきほどの状態密度の問題ですが、どうやらk点をhだのuだの
で指定せず、数値で多くいれれば状況がかなり改善されるようです。
おさわがせしてすみませんでした。ただただ、誰かの計算の足しに
なりますように。
154
Re:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 27, 2005 (Wed) 07:29:46
by Kobayashi Kazuaki
物質・材料研究機構の小林です。
>に関して試行してみました。で、やはりTiC BaTiO3が
>E=0に状態密度をもってしまいました。
(中略)
>以下 TiC の入力ファイル
(後略)
TiC(岩塩構造)の電子状態は金属なので、E = 0(フェルミレベル)
のところで、状態密度が有限であるのは、むしろ正しいと思うのですが、、、。
153番の"Re:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)"
ということは、TiCでギャップが生じてしまったのでしょうか?。
(--@--は変なメイル対策)
155
Re^2:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 27, 2005 (Wed) 09:46:56
by Yukihiro Okuno
小林さん。
お返事ありがとうございます。
TICは僕のとんちんかんな間違いでした。(適当にTiふくんだ
セラミクスかなにかを探していたのですが勘違いしていました。
メール投稿した後、しまったって思っていました。)
問題の方はPbTiO3,BaTiO3で状態密度をもってしまうことです。
今dosの計算でk点を(h だのuだので指定するのでなく数値で)
増やして計算させているところです。
> 物質・材料研究機構の小林です。
>
>>に関して試行してみました。で、やはりTiC BaTiO3が
>>E=0に状態密度をもってしまいました。
>(中略)
>>以下 TiC の入力ファイル
>(後略)
>
> TiC(岩塩構造)の電子状態は金属なので、E = 0(フェルミレベル)
>のところで、状態密度が有限であるのは、むしろ正しいと思うのですが、、、。
>
> 153番の"Re:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)"
>ということは、TiCでギャップが生じてしまったのでしょうか?。
>
>(--@--は変なメイル対策)
156
Re^3:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 27, 2005 (Wed) 10:16:03
by Kobayashi Kazuaki
物質・材料研究機構の小林です。
早速のお返事ありがとうございます。
>問題の方はPbTiO3,BaTiO3で状態密度をもってしまうことです。
>今dosの計算でk点を(h だのuだので指定するのでなく数値で)
>増やして計算させているところです。
これらの物質はギャップを持ったシステムなので、本来なら
少ないk点数でも良く記述できるはずなので、k点を増やして
計算というのには、少し違和感を感じます。
状態密度ではなくバンド構造(E-k分散)は見られたでしょうか?。
ひょっとしたら、ゴーストバンドがフェルミレベル以下に存在して、
それが悪さをしていることはないでしょうか?。
この計算手法では、おそらく四面体法でk点の足し上げを行って
ると思われるので、関係ないかもしれませんが、バンドに何らかの
ブローデニング(広がり)が施されて(或いは存在して)いて、
バンドギャップ内に、バンドの広がりによる状態が染み出して、
それを見ているということはないでしょうか?。
以上、的外れなものだったらご容赦下さい。
(--@--は変なメイル対策)
157
Re^4:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 27, 2005 (Wed) 11:20:48
by Yukihiro Okuno
小林さん。
富士フィルム 奥野です。
お世話になっています。
また親切なお返事、本当にありがとうございます。
>>問題の方はPbTiO3,BaTiO3で状態密度をもってしまうことです。
>>今dosの計算でk点を(h だのuだので指定するのでなく数値で)
>>増やして計算させているところです。
> これらの物質はギャップを持ったシステムなので、本来なら
>少ないk点数でも良く記述できるはずなので、k点を増やして
>計算というのには、少し違和感を感じます。
はい。「きれいな」DOSでなければk点の数が少なくても大丈夫かと
思っていたのですが、なぜだかPbTiO3,BaTiO3がフェルミエネルギーに
ウェイトをもってしまっています。(すくなくとも、k点が非常に
すくない場合)
> 状態密度ではなくバンド構造(E-k分散)は見られたでしょうか?。
>ひょっとしたら、ゴーストバンドがフェルミレベル以下に存在して、
>それが悪さをしていることはないでしょうか?。
すみません。AKAI-KKRでバンド構造はみることはできましたでしょうか?
もちろん、KKRでバンド構造は計算できますが、現状のAKAI-KKRでは
バンド構造の図示とか計算とかはできなかったきがするのですが。
(かんちがいならすみません。)
それと、KKRのような手法でもEで線形化したり、擬ポテンシャル
を利用しない計算でもゴーストは発生するものなのでしょうか?
> この計算手法では、おそらく四面体法でk点の足し上げを行って
>ると思われるので、関係ないかもしれませんが、バンドに何らかの
>ブローデニング(広がり)が施されて(或いは存在して)いて、
>バンドギャップ内に、バンドの広がりによる状態が染み出して、
>それを見ているということはないでしょうか?。
4面体法をつかっているかどうかはわからないのですが、(つかって
いないように見えるのですが)ブローデニングに対応するのが
この場合Green関数の虚数部だと思うのですがedeltというパラメータ
として一応0.0001と値を小さくなるまで収束させております。
奥野幸洋
158
Re^5:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 27, 2005 (Wed) 12:45:55
by Kobayashi Kazuaki
物質・材料研究機構の小林です。
>はい。「きれいな」DOSでなければk点の数が少なくても大丈夫かと
>思っていたのですが、なぜだかPbTiO3,BaTiO3がフェルミエネルギーに
>ウェイトをもってしまっています。(すくなくとも、k点が非常に
>すくない場合)
このウェイトは、無視できないほど大きいということでしょうか?。
で、状態密度でギャップがあると思われる部分が、ゼロでない状態
で埋められているのでしょうか?。
>すみません。AKAI-KKRでバンド構造はみることはできましたでしょうか?
>もちろん、KKRでバンド構造は計算できますが、現状のAKAI-KKRでは
>バンド構造の図示とか計算とかはできなかったきがするのですが。
>(かんちがいならすみません。)
>それと、KKRのような手法でもEで線形化したり、擬ポテンシャル
>を利用しない計算でもゴーストは発生するものなのでしょうか?
申し訳ないです。筆者は当該コードを使用していないので、一般的
な考えとして書きました。KKRでゴーストが生じ得るかは、正直筆者
も自身はありません。ただ、ギャップが空くべき系で、金属となって
しまうとしたら、フェルミレベル下に何らかの変なバンドがあるかも
しれないと考えるのは、可能性の一つとして有り得るだろうと思います。
で、これは状態密度から判断するのは困難で、バンド構造を見ないこと
には判定のしようがないことになります。
>4面体法をつかっているかどうかはわからないのですが、(つかって
>いないように見えるのですが)ブローデニングに対応するのが
>この場合Green関数の虚数部だと思うのですがedeltというパラメータ
>として一応0.0001と値を小さくなるまで収束させております。
ギャップ中に状態が染み出している可能性は低そうですね。
(入力データに関して)
151番の書き込みの、PbTiO3の入力データを見たのですが、Tiに関して、
Ti 1 0. 0.000 3 22 1.00
と、l_maxが3となってますが、これを2(d波まで)とした計算は
行っておられるでしょうか?。PbZrO3では正しいと思われる結果が
出ていることから、違いはTiの部分と思われます。Tiは3d遷移金属
なので、あまり根拠はないですが、l = 4(f波)までとらなくても
大丈夫なようにも思えます。他の人の過去の書き込みにある入力例
(FeやNi,Coなど)は、l_maxは2となってます。
後、的外れかもしれませんが、
# type components rtin field l_max Z concentration----------#
Pb 1 0. 0.000 3 82 1.00
O 1 0. 0.000 2 8 1.00 ← Pb, O, Tiの順(小林書き込み)
Ti 1 0. 0.000 3 22 1.00
# number of atoms------------------------------------------------#
5
#- position ---------------------------------------------- type -#
0.000000000000a 0.000000000000b 0.000000000000c Pb
0.500000000000a 0.500000000000b 0.500000000000c Ti
0.000000000000a 0.500000000000b 0.500000000000c O ← Pb, Ti, Oの順(小林書き込み)
0.500000000000a 0.000000000000b 0.500000000000c O
0.500000000000a 0.500000000000b 0.000000000000c O
上記で、原子の種類の順番(上側と下側で整合していない)とかは計算に影響ないのでしょうか?。
以上、的外れかもしれませんが、何かのお役に立てば幸いです。
(--@--は変なメイル対策)
159
Re^6:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 27, 2005 (Wed) 13:09:34
by Kobayashi Kazuaki
物質・材料研究機構の小林です。
補足です。やはり的外れでした。
>(入力データに関して)
> 151番の書き込みの、PbTiO3の入力データを見たのですが、Tiに関して、
>
>Ti 1 0. 0.000 3 22 1.00
>
> と、l_maxが3となってますが、これを2(d波まで)とした計算は
>行っておられるでしょうか?。PbZrO3では正しいと思われる結果が
>出ていることから、違いはTiの部分と思われます。Tiは3d遷移金属
>なので、あまり根拠はないですが、l = 4(f波)までとらなくても
>大丈夫なようにも思えます。他の人の過去の書き込みにある入力例
>(FeやNi,Coなど)は、l_maxは2となってます。
すみません、上記の話は、良く知っている人に聞いたところ、
ほとんど影響ないとのことでした。
(--@--は変なメイル対策)
160
Re^7:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 27, 2005 (Wed) 13:25:37
by Yukihiro Okuno
小林さん
富士フィルム 奥野です。
お返事ありがとうございます。また色々ありがとうございます。
小林さんのいわれた角運動量のカットオフのほうですがじつは試していて
ほとんど影響がありませんでした。
今k点を増やしてself-consistent計算をまわしています。
どうもedeltとかを徐々に小さくして計算するというのも注意が
必要みたいです。
結果がでたら、またこのBBSにあげてみます。
奥野
> 物質・材料研究機構の小林です。
>
> 補足です。やはり的外れでした。
>
>>(入力データに関して)
>> 151番の書き込みの、PbTiO3の入力データを見たのですが、Tiに関して、
>>
>>Ti 1 0. 0.000 3 22 1.00
>>
>> と、l_maxが3となってますが、これを2(d波まで)とした計算は
>>行っておられるでしょうか?。PbZrO3では正しいと思われる結果が
>>出ていることから、違いはTiの部分と思われます。Tiは3d遷移金属
>>なので、あまり根拠はないですが、l = 4(f波)までとらなくても
>>大丈夫なようにも思えます。他の人の過去の書き込みにある入力例
>>(FeやNi,Coなど)は、l_maxは2となってます。
>
> すみません、上記の話は、良く知っている人に聞いたところ、
>ほとんど影響ないとのことでした。
>
>(--@--は変なメイル対策)
161
Re^8:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 27, 2005 (Wed) 17:22:43
by Yukihiro OKuno
小林樣。
(その他仮にこのメールを迷惑におもっていないみなさん。
おもっている方すみません。)
奥野です。
おせわになっております。
とりあえず、計算結果がでたのですが状況はかなり改善されたのですが
(フェルミエネルギー のところでピークをもつような状態からギャップらしき
ものができつつあるようです。)、やはりギャップとして存在すべきところに
状態が(数値誤差や、edelta では解決できない分)のこり、小さなピークらしい
ものも残ってしまっている状態です。
どうも、最初にedelt=0.005とやや大きな値から出発して計算をおこない、その
結果をさらに初期値としてより小さなedeltのセルフコンシステント計算くり返す
ということをしているのですが、最初の段階(edelt=0.005)などの計算結果が
ギャップ中に状態をもってしまい、結局それが尾をひいてしまっているようにも
みえます。
これは、計算を収束させていく過程も注意していかなければならないという
ことなのでしょうか。。
どなたか、同様の経験をされた方など御返事もらえれば幸です。
以下が利用した入力ファイル。
dos 計算はewidth=1.6とかで確認しています。bzqlty=12でかなりそれっぽい
状態密度はでます。(ギャップができませんが。)
#----------------------- input data ----------------------------#
# go/ngo/dos/dsp/spc file name
go data/PbTiO3
#- primitive vector --------------------------------------#
# this aux option is only effective for newest versions of AkaiKKR
aux
1.000000000000 0.000000000000 0.000000000000
0.000000000000 1.000000000000 0.000000000000
0.000000000000 0.000000000000 1.000000000000
7.370000000000
#- edelt ewidth nrl/sra mjw/vbh/vwn mag/nmag/-mag/rvrs/kick ------#
0.002 1.2 nrl vwn nmag
#- init/1st/2nd quit/update 0/1/2/../t/l/m/h/u iteration pmix -#
2nd update 12 100 0.01000
#- number of type -----------------------------------------------#
3
# type components rtin field l_max Z concentration----------#
Pb 1 0. 0.000 3 82 1.00
Ti 1 0. 0.000 2 22 1.00
O 1 0. 0.000 2 8 1.00
# number of atoms------------------------------------------------#
5
#- position ---------------------------------------------- type -#
0.000000000000a 0.000000000000b 0.000000000000c Pb
0.500000000000a 0.500000000000b 0.500000000000c Ti
0.000000000000a 0.500000000000b 0.500000000000c O
0.500000000000a 0.000000000000b 0.500000000000c O
0.500000000000a 0.500000000000b 0.000000000000c O
162
Re^9:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 27, 2005 (Wed) 21:31:27
by Kobayashi Kazuaki
物質・材料研究機構の小林です。
>とりあえず、計算結果がでたのですが状況はかなり改善されたのですが
>(フェルミエネルギー のところでピークをもつような状態からギャップらしき
>ものができつつあるようです。)、やはりギャップとして存在すべきところに
>状態が(数値誤差や、edelta では解決できない分)のこり、小さなピークらしい
>ものも残ってしまっている状態です。
この小さなピークが、どの程度のものなのかは、実際の状態密度を見ないと
何とも言えないのですが、鋭く高いピークだったら、平坦的なバンドがギャップ
中に存在することが考えられ、それはゴースト的な非物理的なバンドと言えます。
ただ、小さなピークだとするとちょっと違うものと思われます。
>どうも、最初にedelt=0.005とやや大きな値から出発して計算をおこない、その
>結果をさらに初期値としてより小さなedeltのセルフコンシステント計算くり返す
>ということをしているのですが、最初の段階(edelt=0.005)などの計算結果が
>ギャップ中に状態をもってしまい、結局それが尾をひいてしまっているようにも
>みえます。
>これは、計算を収束させていく過程も注意していかなければならないという
>ことなのでしょうか。。
>
>どなたか、同様の経験をされた方など御返事もらえれば幸です。
筆者自身は、PbTiO3の計算経験はないのですが、信頼できるところから聞いた話
では、1 eV以上のギャップが存在(FLAPW系の計算結果、勿論実験値よりは小さい)
します。使用したk点数は、20点/BZの48分の1程度です(BZ全体としてはもっと多い)。
計算により得られるギャップが非常に狭い場合は、収束に影響があるかもしれま
せんが、1 eV以上のギャップがあれば、途中結果の影響に結果が引きずられるという
ことは、よほど変な初期条件が出発点か、途中でおかしなことがない(或いは起こら
ない)限り、無いように思われます。
>以下が利用した入力ファイル。
>dos 計算はewidth=1.6とかで確認しています。bzqlty=12でかなりそれっぽい
>状態密度はでます。(ギャップができませんが。)
それっぽいということは、ギャップがあると思われるところで、谷のような凹み
となっているが、そこにも小さなピーク状の部分も含め、小さな状態が存在している
(ゼロにならない)ということでしょうか?。
やはり、バンド構造で見れば、それが何なのか分かるのですが。入力データで、go
でなくspcとすると、何かバンド構造に関係するデータ(この場合規則系なので、
E-kの分散関係?)が出力されるようで、これを描画できればバンド構造が見れると
思うのですが、、、。
後、PbTiO3は、入力データから見て、cubicなperovskite構造で、この場合、
単純立方(sc)と同じ対称性を持つので、scの条件で計算されていますでしょうか?。
対称性の設定間違いで、変な計算になることは筆者も経験があります。
おそらく今回の話とは直接関係ないですが、Pbはかなり重い原子なので、
スカラー相対論での計算を行ってみた方が良いと思います。
以上、何かのお役に立てば幸いです。
(--@--は変なメイル対策)
163
Re^10:On the TiC and BaTiO3 calculation ( in japanese)
Posted on : April 29, 2005 (Fri) 07:56:07
by Yukihiro Okuno
小林さん。
富士フィルム 奥野です。
ようやくまともなDOSがでました。いろいろ教えて下さりありがとうございました。
k点を充分にとってかつ、Pbなので相対論的な計算をしなければならなかった
ようです。(最初はk点すくなく、sra modeで計算していました。これでもだめです。)
とりあえずうまくいった入力ファイルを添附しておきます。
#----------------------- input data ----------------------------#
# go/ngo/dos/dsp/spc file name
go data/PbTiO3
#- primitive vector --------------------------------------#
# this aux option is only effective for newest versions of AkaiKKR
aux
1.000000000000 0.000000000000 0.000000000000
0.000000000000 1.000000000000 0.000000000000
0.000000000000 0.000000000000 1.000000000000
7.370000000000
#- edelt ewidth nrl/sra mjw/vbh/vwn mag/nmag/-mag/rvrs/kick ------#
0.002 1.0 sra vwn nmag
#- init/1st/2nd quit/update 0/1/2/../t/l/m/h/u iteration pmix -#
2nd update 12 100 0.008
#- number of type -----------------------------------------------#
3
# type components rtin field l_max Z concentration----------#
Pb 1 0. 0.000 3 82 1.00
Ti 1 0. 0.000 2 22 1.00
O 1 0. 0.000 2 8 1.00
# number of atoms------------------------------------------------#
5
#- position ---------------------------------------------- type -#
0.000000000000a 0.000000000000b 0.000000000000c Pb
0.500000000000a 0.500000000000b 0.500000000000c Ti
0.000000000000a 0.500000000000b 0.500000000000c O
0.500000000000a 0.000000000000b 0.500000000000c O
0.500000000000a 0.500000000000b 0.000000000000c O
> 物質・材料研究機構の小林です。
>
>>とりあえず、計算結果がでたのですが状況はかなり改善されたのですが
>>(フェルミエネルギー のところでピークをもつような状態からギャップらしき
>>ものができつつあるようです。)、やはりギャップとして存在すべきところに
>>状態が(数値誤差や、edelta では解決できない分)のこり、小さなピークらしい
>>ものも残ってしまっている状態です。
>
> この小さなピークが、どの程度のものなのかは、実際の状態密度を見ないと
>何とも言えないのですが、鋭く高いピークだったら、平坦的なバンドがギャップ
>中に存在することが考えられ、それはゴースト的な非物理的なバンドと言えます。
>ただ、小さなピークだとするとちょっと違うものと思われます。
>
>>どうも、最初にedelt=0.005とやや大きな値から出発して計算をおこない、その
>>結果をさらに初期値としてより小さなedeltのセルフコンシステント計算くり返す
>>ということをしているのですが、最初の段階(edelt=0.005)などの計算結果が
>>ギャップ中に状態をもってしまい、結局それが尾をひいてしまっているようにも
>>みえます。
>>これは、計算を収束させていく過程も注意していかなければならないという
>>ことなのでしょうか。。
>>
>>どなたか、同様の経験をされた方など御返事もらえれば幸です。
>
> 筆者自身は、PbTiO3の計算経験はないのですが、信頼できるところから聞いた話
>では、1 eV以上のギャップが存在(FLAPW系の計算結果、勿論実験値よりは小さい)
>します。使用したk点数は、20点/BZの48分の1程度です(BZ全体としてはもっと多い)。
> 計算により得られるギャップが非常に狭い場合は、収束に影響があるかもしれま
>せんが、1 eV以上のギャップがあれば、途中結果の影響に結果が引きずられるという
>ことは、よほど変な初期条件が出発点か、途中でおかしなことがない(或いは起こら
>ない)限り、無いように思われます。
>
>>以下が利用した入力ファイル。
>>dos 計算はewidth=1.6とかで確認しています。bzqlty=12でかなりそれっぽい
>>状態密度はでます。(ギャップができませんが。)
>
> それっぽいということは、ギャップがあると思われるところで、谷のような凹み
>となっているが、そこにも小さなピーク状の部分も含め、小さな状態が存在している
>(ゼロにならない)ということでしょうか?。
> やはり、バンド構造で見れば、それが何なのか分かるのですが。入力データで、go
>でなくspcとすると、何かバンド構造に関係するデータ(この場合規則系なので、
>E-kの分散関係?)が出力されるようで、これを描画できればバンド構造が見れると
>思うのですが、、、。
>
> 後、PbTiO3は、入力データから見て、cubicなperovskite構造で、この場合、
>単純立方(sc)と同じ対称性を持つので、scの条件で計算されていますでしょうか?。
> 対称性の設定間違いで、変な計算になることは筆者も経験があります。
>
> おそらく今回の話とは直接関係ないですが、Pbはかなり重い原子なので、
>スカラー相対論での計算を行ってみた方が良いと思います。
>
> 以上、何かのお役に立てば幸いです。
>
>(--@--は変なメイル対策)