古いバージョンのBBSは閲覧のみ可能です。
The old BBS is read only.

Replies : 4 Last Post : July 12, 2005 (Tue) 17:27:46

169

Is CPA self-consistent?

Posted on : July 11, 2005 (Mon) 10:35:41

by Hase Izumi

長谷@産総研と申します。いつもお世話になります。
2年程前からMACHIKANEYAMAを使わせていただいております。バージョンはcpa2002v006cです。

強磁性金属Ni3AlにB,Cなどをドープしていったときに強磁性がどのように消失していくかを計算していますが、計算の途中で疑問が生じましたので質問させてください。

Ni3AlはCu3Au型の結晶構造を取り、体心の位置が大きく空いていて、そこにB,Cなどが入ると言われています。
この計算では体心の位置をempty sphereにして、それと例えばB原子とのCPAを行っています。

このとき、1つのファイルセットでは計算は収束するのですが、そのあと続けてもう一度計算するとまた別の解に向かっていくという現象が起こります。入力と出力を載せます。

go data/Ni3AlB10 sc 6.7497,1.0,1.0,90.0,90.0,90.0,
0.001 1.5 sra vwnasa kick 2nd
update 8 120 0.024
3
#--------------------------------------------
# name of type, number of components, rtr,
# field, lmax, atomic number, concentration
#--------------------------------------------
Ni 1 0 0.0 2 28 100
Al 1 0 0.0 2 13 100
Vc 2 0 0.0 2 0 90
5 10
5
0.00000000 0.00000000 0.00000000 Al
0.50000000 0.50000000 0.50000000 Vc
0.00000000 0.50000000 0.50000000 Ni
0.50000000 0.00000000 0.50000000 Ni
0.50000000 0.50000000 0.00000000 Ni
go data/Ni3AlB10 sc 6.7497,1.0,1.0,90.0,90.0,90.0,
0.001 1.5 sra vwnasa mag 2nd
update 8 120 0.024
3
#--------------------------------------------
# name of type, number of components, rtr,
# field, lmax, atomic number, concentration
#--------------------------------------------
Ni 1 0 0.0 2 28 100
Al 1 0 0.0 2 13 100
Vc 2 0 0.0 2 0 90
5 10
5
0.00000000 0.00000000 0.00000000 Al
0.50000000 0.50000000 0.50000000 Vc
0.00000000 0.50000000 0.50000000 Ni
0.50000000 0.00000000 0.50000000 Ni
0.50000000 0.50000000 0.00000000 Ni

後半は前半のファイルをコピペしただけです。

このとき出力は(収束に関わるところのみ)
***** self-consistent iteration starts *****
Ni_3AlVc
finite nuclear size correction made
finite nuclear size correction made
itr= 1 neu= 0.0228 moment= 0.0864 te= -9598.9330268 err= -1.868
itr= 2 neu= 0.0144 moment= 0.0863 te= -9598.9329852 err= -1.981
itr= 3 neu= 0.0202 moment= 0.0861 te= -9598.9329341 err= -2.100
itr= 4 neu= 0.0207 moment= 0.0854 te= -9598.9328737 err= -2.298
(略)
itr= 47 neu= 0.0000 moment= 0.0750 te= -9598.9327709 err= -5.405
itr= 48 neu= 0.0000 moment= 0.0750 te= -9598.9327709 err= -5.510
itr= 49 neu= 0.0000 moment= 0.0750 te= -9598.9327709 err= -5.704
itr= 50 neu= 0.0000 moment= 0.0750 te= -9598.9327708 err= -6.043
interval= 50 cpu time= 1316.01 sec
sdftyp=vwn reltyp=sra dmpc=0.024
Ni_3AlVc
itr= 50 neu 0.0000 chr,spn 33.3000 0.0750 intc,ints 0.0000 0.0000
rms err= -6.043 -6.296 -7.078 -6.714 -6.054 -6.281
-7.078 -6.706
ef= 0.5788029 0.5788029 def= 28.3568053 38.7379484
total energy= -9598.9327708

***** self-consistent iteration starts *****
Ni_3AlVc
finite nuclear size correction made
finite nuclear size correction made
itr= 1 neu= 0.0000 moment= 0.0750 te= -9598.9327696 err= -2.404
itr= 2 neu= -0.0044 moment= 0.0740 te= -9598.9327795 err= -2.427
itr= 3 neu= -0.0067 moment= 0.0725 te= -9598.9327998 err= -2.523
(略)
itr= 41 neu= 0.0000 moment= 0.0612 te= -9598.9328541 err= -5.473
itr= 42 neu= 0.0000 moment= 0.0612 te= -9598.9328541 err= -5.721
itr= 43 neu= 0.0000 moment= 0.0612 te= -9598.9328540 err= -6.052
interval= 43 cpu time= 328.43 sec
sdftyp=vwn reltyp=sra dmpc=0.024
Ni_3AlVc
itr= 43 neu 0.0000 chr,spn 33.3000 0.0612 intc,ints 0.0000 0.0000
rms err= -6.175 -6.052 -6.628 -7.067 -6.191 -6.058
-6.637 -7.053
ef= 0.5791795 0.5791795 def= 29.7320660 38.0288437
total energy= -9598.9328540

のように、モーメントと全エネルギーの値が変わって行きます。一度目の計算で収束したかに見えたポテンシャルは実は収束していなかったのでしょうか?それとも、入力の指定、k点がこれでも荒すぎる(初めk点がもっと荒い時に出た問題でしたが、k点をここ(165点)まで増やしても症状は変わりません)、などの問題でしょうか?

ちなみに、CPAでなくNi3Alの計算をすると、2度目の計算はitr=1で収束します。

長文で申し訳ありませんが、どなたか御教授いただければ幸いです。

産業技術総合研究所 エレクトロニクス研究部門
 量子凝縮物性G 長谷 泉   Tel.029-861-5147
e-mail: i.hase@aist.go.jp Fax.029-861-5387

 
 

170

Re:Is CPA self-consistent?

Posted on : July 11, 2005 (Mon) 10:42:56

by Hase Izumi

長谷@産総研です。一ケ所訂正です。

入力ファイルの前半の
>go data/Ni3AlB10 sc 6.7497,1.0,1.0,90.0,90.0,90.0,
>0.001 1.5 sra vwnasa kick 2nd

の部分は、kickではなくてmagでした。(以前の荒いk点のファイルを使っています)

以上よろしくお願いします。


産業技術総合研究所 エレクトロニクス研究部門
 量子凝縮物性G 長谷 泉   Tel.029-861-5147
e-mail: i.hase@aist.go.jp Fax.029-861-5387

 

171

Re:Is CPA self-consistent?(in Japanese)

Posted on : July 12, 2005 (Tue) 08:31:41

by Kobayashi Kazuaki

 物質・材料研究機構の小林です。

 長谷さんご無沙汰しています。

 筆者には一回目と二回目の結果に違いが出る原因は分からないのですが、
二回目の結果を使って、三回目の計算を行わせてみたことはあるでしょうか?。
三回、四回、、、と継続してもどんどん全エネルギーが下がっていくとしたら、
何か深刻な問題があるように感じます。

 

172

Re^2:Is CPA self-consistent?(in Japanese)

Posted on : July 12, 2005 (Tue) 10:50:17

by Hase Izumi

長谷@産総研です。

早速のレスポンスをありがとうございます。

3回までは試しました。全エネルギーはそれぞれ

itr= 43 neu= 0.0000 moment= 0.0243 te= -9598.9327594 err= -6.032 (一度目)
itr= 40 neu= 0.0000 moment= 0.0132 te= -9598.9328710 err= -6.026 (二度目)
itr= 33 neu= 0.0000 moment= 0.0053 te= -9598.9328593 err= -6.101 (三度目)

となっています。(前のより更にk点を増やしています)

Ni3Alはもともと遍歴弱強磁性体と言われる物質で、強磁性と常磁性のエネルギー差が小さい物質なので微妙なことが起こっているのかも知れませんが、これではどこで収束判定をしたら良いのか分からず、困っています。

産業技術総合研究所 エレクトロニクス研究部門
 量子凝縮物性G 長谷 泉   Tel.029-861-5147
e-mail: i.hase@aist.go.jp Fax.029-861-5387


> 物質・材料研究機構の小林です。
>
> 長谷さんご無沙汰しています。
>
> 筆者には一回目と二回目の結果に違いが出る原因は分からないのですが、
>二回目の結果を使って、三回目の計算を行わせてみたことはあるでしょうか?。
>三回、四回、、、と継続してもどんどん全エネルギーが下がっていくとしたら、
>何か深刻な問題があるように感じます。

 

173

Re^3:Is CPA self-consistent?(in Japanese)

Posted on : July 12, 2005 (Tue) 17:27:46

by Kobayashi Kazuaki

>長谷@産総研です。
>
>早速のレスポンスをありがとうございます。
>
>3回までは試しました。全エネルギーはそれぞれ
>
> itr= 43 neu= 0.0000 moment= 0.0243 te= -9598.9327594 err= -6.032 (一度目)
> itr= 40 neu= 0.0000 moment= 0.0132 te= -9598.9328710 err= -6.026 (二度目)
> itr= 33 neu= 0.0000 moment= 0.0053 te= -9598.9328593 err= -6.101 (三度目)
>
>となっています。(前のより更にk点を増やしています)
>
>Ni3Alはもともと遍歴弱強磁性体と言われる物質で、強磁性と常磁性のエネルギー差が小さい物質なので微妙なことが起こっているのかも知れませんが、これではどこで収束判定をしたら良いのか分からず、困っています。

 物質・材料研究機構の小林です。

 上記の全エネルギーを見ると、変化(違い)は割と微妙ですね。

 以下に考えたことを書きます。

(1)CPAではバンドがローレンツ型のピークによる幅を持つことの影響。
ガウシアンブローデニング法のようにバンドに幅を与えるのは、金属から
なる系でのSCF計算の収束を速めるのですが、今の場合はそれとは異なる
影響を与える可能性は無いか?。

(2)Ni3AlにBが入るということは、その分占有バンド数が増えることに
なる。(1)にあるように、CPAではバンドに幅が出るので、フェルミレベル
より上の一見空に見えるバンドも、幅のため一部が占有になっている可能性が
ある。それを考えると、フェルミレベルより上の空のバンドは多めに設定
しておく必要がある。

(3)CPAだと、体心にあるB原子の構造緩和(体心位置からのずれ)は
考慮されていないものと思われる。構造緩和により、より安定な位置が実際に
存在するか?。
 そして磁気モーメントは、構造緩和を考慮、非考慮に関わらず有限の値と
なりうるのか?。つまり、今行っている計算(構造緩和非考慮?)で本当に
磁気モーメントは出るのか?。

 以上、箇条書き故に”である”調であることをお許し下さい。
 全く的外れなことを言っているかもしれません。その時はご容赦下さい。
何かのお役に立てれば幸いです。

(---@---は変なメイル対策)