AkaiKKR(Machikaneyama)は密度汎関数法の局所密度近似(LDA)あるいは一般化勾配近似(GGA)に基づく第一原理電子状態計算のためのプログラムパッケージです。金属や半導体、化合物などの電子状態を簡単に計算することができます。

AkaiKKRで用いているKKRグリーン関数法は高速、高精度、コンパクト性などの特徴を持つ全電子計算手法です。安定に電子状態を計算することが可能で、平面波カットオフなどのどこまでパラメータを大きくしたらいいの？といった問題もありません。さらに、AkaiKKRではコヒーレントポテンシャル近似(CPA)を組み込んでいます。そのため、通常の規則結晶だけでなく、不純物系や不規則置換合金、混晶といった不規則系を取り扱うことができます。この手法では系のグリーン関数を直接計算するので、線形応答理論や多体問題などへの応用にも向いています。

このパッケージは1970年代から継続的に開発してきたもので、現在も様々な開発者によって開発が進められています。それぞれのプログラムはFORTRAN77で書かれています。ライブラリを追加したりする必要はなく、AkaiKKR単体で使用することができ、小さなノートパソコンから大きなスーパーコンピュータまで様々な環境で同じように動きます。FORTRANコンパイラが入っているものならば、UNIX、Linux、Mac、Windowsといったあらゆるプラットホーム上で使用できます。