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Re:Volume optimization of PbTiO3, PZT (in Japanese)

Posted on : May 30, 2005 (Mon) 10:59:31

by Kobayashi Kazuaki

 物質・材料研究機構の小林です。

 この現象、やはり一番思い当たるのは、「ゴーストバンドが存在する
のではないか?」です。勿論、フェルミレベルより下にです。
 可能なら、バンド構造を見てチェックできれば良いのですが、、、。

 全電子計算を良く知る人の話として、全体の状態密度以外に、s,p,d別の
部分状態密度(可能ならば各構成元素別)を見てみてはどうか、ということ
でした。各部分毎に分けてみると、情報量が増えるので何か問題を見つけられる
可能性があります(下の文章も参照)。ゴーストがあるとすれば、
Pbの6s,6pや酸素の2p当たりが怪しいとのこと(勿論、これら以外がおかしいの
かもしれません)。勿論、ゴーストでない可能性もあります。
 ただ、格子定数を増やして単調に全エネルギーが減少していくのは、かなり
深刻な破綻が起こっている可能性が高く、その原因は異常なバンドの存在か、
そもそもの計算設定に重大な見落とし、間違いが存在するとしか思えません。

 PbTiO3の場合、過去にこれを計算した例があるはずで、それらの結果
(状態密度、部分状態密度など)と比較することも勧めます。

 あとは格子定数を大きくすると、通常バンド幅は狭まるので関係ない
かもしれませんが、設定したバンド幅の範囲が足りないということくらい
しか筆者には思いつきません。エバルトの計算部分が悪さをする可能性
もありますが、筆者はコードの詳細を知らないので何とも言えません
(この可能性は多分かなり低いです)。

 以上、何かのお役に立てば幸いです。

(---@---は変なメイル対策)