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Re^5:KKR is not suitable for non-isotoropy structure? (in Japanese)

Posted on : October 02, 2002 (Wed) 15:13:16

by takao kotani

>Akai-KKRにはいろいろと使いこなしの技がありそうですね。
>
というより,まだまだ幼稚で完成されてないということなんです。
まだペンシルロケットあるいは鉱石ラジオの段階なんですね。
いちいち鉱石をなぞっていいところをみつけてやらないと答えでないんですよ。
あと10年か20年ぐらいで月まで飛んで行くような強力なものにしたいですが、
いろいろと大変な点が多いです...

ほんとLDA計算ぐらい原子位置さえ入れれば、
ビシッと答えを出して欲しいんですが、まだまだです.

でも,ほかのコードでも,おそらくそんなに違わないんじゃないかとおもいますが...
(表面的に自動化されていても,いろいろなものが適当に決められているだけで,
うまくいかない場合も多かったりするのではないかと思います。
でもVASPなどだと,もっともっと安定してるのかもしれません.)

>1.(P)DOSの値が負の大きな値になっているときにはmsizexを大きくしてみる。
あとで赤井先生を捕まえて,修正ルーチンをポストします。


>2.デフォルトでコア電子として扱っているものでも分散が大きいときにはewidthを大きくする。
>0040> こういうのがうまく行ってるかどうかは現状では,dosをかかせて(書かせるときには,
>0040> 場合によればewidthをひろげたりするひつようもある---収束がうまくいかない場合もヒントになります)
>0040> チェックする必要があります。
そうですね.というか,いまのばあい,1.0Ryとかが中途半端で,それこそ,コアを
半分とりいれて妙な収束にいたったりしてしまう可能性があるということです。
積分経路の左端は,状態密度ができるだけきれいにゼロになっているところがいいわけです。

>
>3.空隙の大きいところにはempty sphereを入れてみる。
> (しかし、対称性の高い材料で、空間群の特殊位置に入れるのは簡単ですが、
>  一般位置だったりすると座標を探すのが大変そうですね)
場合によれば,難しいです。xbandがある程度探してくれますが,xbandもそんな信頼性が
高いわけではないと思います。


>4.原子位置の指定には
>  0.33333333a 0.66666666b 0.00000000 Li_b
> などの裏技が(ソースを見れば分かることなんでしょうが)あった。
えっと,一応,cmdtxt1.pdfのp.25のはじめに書いておいたつもりでしたが、例もないし,
不親切ですね。。。申し訳ない。


>そして、表題に対する結論として
>構造異方性のある材料でも、packingがよければ、
>0023> MTポテンシャルやASAは,「状態密度やバンド」等に関しては,
>0023>「ものすごくひどい」というわけではないです.
>0023> 場合にもよるので,あてにはできないですが...
例えばsiなんかなら,empty sphereを結合の逆位置に入れてbcc的 packingにしてやって
asaでやるとband gapなんかはうまく出ます。
(すくなくともバンドに関しては,asaがbetterです---やはり
interstitialがないほうがいいんだと思う)
が,なんかいいかげんで申し訳ない。
まあまたなんかあったら書いてください。


岡本さんの話をちょっと聞いても,やはり物理学会でのわけのわからん話より,
やはり「役に立つ材料」の話のほうが面白いように思います。物理のひとのやってる
小難しい話は,ほんとしばしば「なんのためにやってるの?」といいたく
なることが多いです---なんか本末転倒的に「こむずかしいからありがたい」
みたいな意味不明の袋小路的思想があります.

ほんとどれだけのことができるかは,未知な部分も多いですが、
材料開発の現場におられる方とコンタクトを取りつつ,
いろんなことをやっていくのがいいんじゃないかと思っています。
方法論の開発などもニーズや重要度を
見極めつつ優先順位をつけてアタックしていく必要があります。
粘り強くやっていきたいと思っていますので
よろしくおねがいします...

基礎的なプログラムや方法論の開発は「こんな風に応用したらこんな予想がでました!」
みたいな派手な話に比べると陰気だし人も少ないし、予算もつきにくいし(工学部の人は
金を取ってくるのがうますぎる),なかなかしんどい業界なんですが、本質的に重要です
(まあ,どうかなーと思うような話も多いですが。。。).
もちろん,どう適用していくか?もすごく重要なんですが、同時に
「きちんと方法論やプログラムを開発していくこと」も同じぐらい重要です,といいたいです.
せめて予算の半分は,こういう陰気な分野につけていただきたいです(という愚痴です).

10年もたったら世界的に「電子状態計算コード」は,かなり整理統合が進んでくると思います。
このままでは日本発のものは,開発者(=利用者)がいなくなったら,
そのまま衰退しなくなっていくものがほとんどだろうと思います。
大体が,中途半端に世界の後追いしても仕方ないです。ソフトウエアはロケット
とかとはだいぶ違うんですね----1個作るのと1億個作るのの手間は同じなんですから。。。

でも,AkaiKKRは,いくつか重要な特徴があって,
10年後でも世界レベルでの競争に勝ち残り,電子状態計算のレベルを底上げできる
可能性が結構あると思います。赤井先生におべんちゃらを言う気はまったくない
です---これから,赤井先生がクレバーにやれるかどうかにかかっているでしょう。
くそまじめ(いい点でもあるんですが)はやめてもらいたい.

どうもうだうだ書いてすみません。

小谷